東京でもようやく緊急事態宣言が解除される段階まで来たものの、新型コロナウィルスの感染拡大状況はまだまだ予断を許さない。私もこの1ヶ月は自宅でオンラインの授業と会議に明け暮れる日々を過ごして、やや疲れ気味の感もあるが(オンライン授業は時々リスナーと会話することもあるラジオ番組のパーソナリティーを務めているようなもので、原則顔の見えない、声も聞こえない聴取者に向かって週4回みっちり90分程度しゃべるのはそれなりの仕事となる)、まあそれは覚悟して臨んでいることだし、これまでの授業とは違った発見もあるのでよしとしたい。
さて、来る6月19日に東京日仏会館で美術講演会を行うことになった。といっても、こちらもオンライン講演会である(登録のためのURL情報は以下なので良かったら視聴して下さい。録画したものをYou Tubeにも上げる予定のようです)。https://www.mfjtokyo.or.jp/events/lecture/2020-06-19.html
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日仏会館ホームページより抜粋 |
マネについては2018年に『エドゥアール・マネー西洋絵画史の革命』(KADOKAWA)を刊行したが、それとは別に本格的な作品論を現在構想中である。10点くらい作品を選んで徹底的に解明してみようという試みで、方法論的な冒険でもあり、2021年度の終わりまでには出版したいという希望を持っている。今回の講演会では個別作品を詳しく扱うことはないが(昨年来日した《フォリー=ベルジェールのバー》の画像は記憶に新しいので使った)、サロン出品作に限定してマネの全体像を私なりに提示してみるつもりである。研究すればするほどマネは難しい画家だとつくづく思うこの頃である。